Friday, July 8, 2011

7日目(研修5日目) illegalな存在

フィリピンに着いてから1週間が過ぎてしまいました。時が過ぎるのは本当に早い!

7日目の今日、ちょっと遅く起きてしまいました。しかしここでは大体どの時計も違う時間を差しているので、まぁ大丈夫かな~と思ったら一緒に通勤するスタッフはずっと前から待っていたようでとても申し訳ないことをしました。
フィリピンの人はもちろん時間にそれほどシビアではないのですが、きっちり守る人もたまにはいます。このスタッフはそのケースの人です。「フィリピンの人はそうだから」という感覚でなく一人ひとりやはり性格は違うということを覚えておかないといけませんね。

ということで10時半過ぎにオフィスに着き、提出するための企画案を練っていました。今日もボスは休み…

すぐにお昼の時間が来ました。鍋の中を開けると…肉じゃが!?…いや、実際には肉じゃがじゃないんですが(豚肉だったし)、かなり近い感じのものが出てきました。もちろんおいしかったですよ~

お昼に皆でニュースを見ていると、政府がカトリック教会に高級な車両を支給したこと?か何かそういうような事件に関して正しいことなのかどうか、という問題を取り扱っていました。今フィリピンで問題になっているニュースのようです。政府が民間にどうしてこうして、それはずるいとか癒着してるとか、そういう話ってそこの国でもあるものなんだな、と感じます。そしてあるリッチなインターナショナルスクールのニュース。生徒一人一人にiPadを支給し、授業で使っていました。ラウンジが豪華で、教室では一人ひとりソファ?のような柔らかいクッションに座って授業を受けていました。漫画の世界かって感じですね。そんな余裕のある学校もあるんだな・・・と昨日見た家々のことも思いだし、格差の大きさを実感しました。

午後はイベント用のプレゼンテーション作りなどをしていました。この日は18時に皆オフィスを出ました。
なぜかというと……

舞台を見に行ったんです!!!お芝居!!!ミュージカル!!!

私はそういうのを見るのが大好きなので、本当に楽しい時間を過ごせました。

PETAという劇団のようなものがあるんですが、NGOスタッフが知り合いがいる、とのことで、スタッフ皆を無料招待してくれました。本当は600ペソ(1200円程度)かかるんですけどね。ラッキーでした。今一緒に通勤しているスタッフも前はその劇団に所属していたんです。

ジプニーを3回も乗り継ぎ、着いた先は小さめだけどきれいなシアター。
この舞台は「フィリピン人の同性愛者で、イスラエルで出稼ぎ労働をしている人たち」の物語でした。すごく複雑な物語に見えますよね。
主人公やその友達5人は、フィリピン人で、イスラエルに出稼ぎに行きます。介護ヘルパーやメイドとして働くのですが、パスポートやビザを取り上げられ、IDは偽物を渡され、いわゆる不法滞在のまま搾取される環境に置かれてしまいます。そこで、貧しいため副業としてゲイのエンターテイナーとして歌やダンスのショーをする仕事をします。しかし、イスラエルでは同性愛者への差別が激しいためオープンにはできず、隠れつつやっています。そこで同じく不法滞在して出稼ぎをしている人と恋に落ちたり、優しくしてくれた介護相手のイスラエル人が亡くなったり、警察に捕まり、不法滞在で強制送還されたり・・・と様々な困難が主人公たちを襲います。
とても考えさせられる内容でした。出稼ぎの問題、不法滞在の問題、不当な雇用の問題、差別の問題・・・いろいろな社会問題が凝縮されているミュージカルです。

舞台中には華やかな衣装で圧巻の歌声、ダンスで主人公たちがパフォーマンスがする部分あり、そこはもうすごいとしか言いようがありませんでした。

内容に関しても思ったことはたくさんあったのですが、一つ心に残ったセリフは不法滞在で捕まりそうになっている労働者の"I'm illegal."という一言。彼は自分の存在自体がその国では違法だから、と言いました。
うーん・・・これを聞いて何とも言えない気持ちになりました。私はパスポートを持っているしビザもすぐ申請できます。でもこの人はパスポートさえ持てなくて、あの小さな冊子が無い、それだけのために強引に逮捕・強制送還されてしまいます。しかもこの人は家族を助けたくて希望を持って海外に来たのに、騙されてパスポートをとられてしまって。本当はあるのに。そんな目に遭わなきゃいけない理由はないですよね。

大体存在自体が違法って、一人間なのにそんな風に扱われたり、そんな風に思いながら生活しなきゃいけないことなんてあっていいんでしょうか。法律は法律ですから不法滞在だったら帰らなきゃいけないのは当然なんですが、それにしても彼らの存在に対する扱いは酷過ぎます。

実際目にしたら(演技ですが)、出稼ぎ労働者の問題がどれだけ不条理か、悲しい事実なのか分かりました。やっぱり今働いているNGOで私が出来ることは何でもやりたいです。この問題に真剣に取り組みたいです。そう思った舞台でした。

純粋に一舞台としても素晴らしいものでしたし、社会問題を見るという点からもよくできた舞台でした。この舞台を見れてよかったです。

帰宅したらもう12時近く。明日も早いので寝ますね。
ではではそんなちょうど1週間目の滞在記でした~写真無くてごめんなさい。

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