Saturday, August 20, 2011

48日目 ビジネスを始めよう


48日目、木曜日は念願のフィールドトリップに行ってまいりました!!!
どんなフィールドトリップかというと…

私のインターン先のNGOは、以前の記事にもあるように、出稼ぎ労働者として海外で働き、トラブルに巻き込まれている女性とその子ども、を助ける活動をしています(主に日本に出稼ぎに来ていた女性)。今、その女性たちが帰国後に新しく安定して働く場を得られるよう、女性たちが集まって何か新しいビジネスをスタート出来ないか、と模索中なのです。そこでクライアントの女性10人ほどが集まり、ソーシャルエンタープライズのビジネスをしている組織・団体を見て学ぼう!というのが今回のフィールドトリップのテーマです。
このプログラムは計4回で、

第1回:ディスカッション(今までの自分の経験((出稼ぎ労働者として、等)))を共有し話し合う
第2回:フィールドトリップ(←今回がこれ)
第3回:ビジネスの始め方セミナー
第4回:'Dreamshop' (workshop...ではなく、自分たちの夢を具体的に描き出すプログラムなので、dreamshopなんだよ、と言われました^^)

となっています。参加しているクライアントさんたちはそれ程若くはないのですが、とても勉強熱心でアクティブで、情熱を持っている人たちです。その勢いに私も圧倒されるほどです笑

というわけで、最初にジュースの空き箱からテトラポットを作り、花や植物を栽培し売る、というビジネスを促進しているNGOに訪問し説明を受けました。テトラポットだけでなくカバンや財布も作っているようで、見せてもらったのですが…とても可愛くてこれは売れるんじゃないかと思いました。正直、こういった貧しい人々の生活のためのビジネスとなると、低コストでかつ製作者もトレーニングを受けたばかりの人がやるわけですから、クオリティが低い商品二ならざるを得ないというところがあると思っていたので…でも素直に欲しい、と思える仕上がりになっていて、思わず見入ってしまいました。



このNGOは、台風やそれに伴う洪水の多いフィリピンで、自然災害のため被害を受けた貧しい農村の人々を支援する団体です。そのため、雨季などにこういった商品を作って生計を立てているのです。
このビジネスはとてもうまく回っているようで、最近は植物栽培のための土を入れる入れ物や、残飯から肥料を作るための入れ物まで作っているようです。さらにそれを応用してボートの体つくりetc...たくさんの村の人々の生活を支えるビジネスに発展しているようでした。ただテトラポットを作るだけでなく、そこから派生して、めぐりめぐるように新しい事業が生まれているところがこのビジネスが発展した理由なのかな、と思います。その場に立ち止まらず常に改善したり進歩していくということは、どのビジネスにおいても基本なんだと感じました。といってもあんまりビジネスを学んだことがないので勝手な感想ですがw

そしてそれからMystical Caveに行きました。山の奥の方にある洞窟です!なんでフィールドトリップで洞窟!?と思われるかもしれません。私も意味は分かりません笑
こっちの人は仕事中でも間に観光等を挟んで楽しんでいこう!!っていうタイプなので、そういう息抜き的な意味でこれがプログラムの中に入っていたんだと思いますw まぁソーシャルエンタープライズとは関係ないですが、これもこれでいいんじゃないかと^^w



美しい森の中、ひたすら階段を上りました。そして着いた先は洞窟の入り口。真っ暗な洞窟の中を懐中電灯とガイドさんに導かれ進んでいきました。




この洞窟、かなーり広くて長い。そして、ところどころに不思議な形をした岩。これは全て自然に出来たもののようですが、こちらではその一つ一つにinterpretationをつけているようです。聖母マリアと子どもの頃のイエス、などなど…聖書からとった名前や地名を岩に見立てているんです。それも全部interpretation通りの形に見えます。それをガイドさんが一つ一つ説明してくれて。1時間半…くらいは歩いたかな?とても長く神秘的な洞窟でした。




洞窟を出て皆でピクニック気分のランチ♪から、他のNGOに行ってきました。こちらも、ソーシャルエンタープライズとしてカバンの制作・販売をしているところ。カバンの制作をしているのは、「パヤタス」と呼ばれるフィリピンでも最大級の有名なごみ置き場周辺で極貧の生活をしている人たち。彼女たちに糸を集め大きなヒモを作ってもらう。またヒモを編んで複雑な形のカバンを作っていく。この団体のビジネスは非常に良い結果を残しているそうで、数々のパートナーシップやアワードを獲得している有名なところでした。一体どんなカバンを作っているんだろう…と思って見せてもらって、納得。これはすごい!日本人の私の目線でも、これは高いだろうな~、と感じさせるようなハイクオリティなカバン。年に1度ファッションショーでも披露され、有名デザイナーがついている、ブランド物のバッグと遜色ない商品です。これをトレーニングを受けた普通の人々が作っているとは!皆さんも実物を見たらきっと感動すると思います★

一番印象的だったのは、オフィスの様子。もちろん上手く行っている団体だから、というのもあると思いますが、とてもきれいで整ったオフィス。綺麗というのは、ただ単純にお金がかけられているとかそういうことじゃありません。そんなに広い訳ではないし特別いい機械があるわけでもありません。
しかし一人ひとり仕切られたデスクに、整頓されたファイル。スタッフ1人1人のネームプレートに、1週間の予定。誰がどこにいるのか把握されている。ポストイットや張り紙による連絡事項の数々。こういった光景、日本では当たり前なんですが、フィリピンでは滅多に見ません。(ちゃんとした会社にはあると思いますが)これを見たとき、これは成功するなぁ、と思いました。こうした方が無駄がないし集中力が上がる。
いつも思うんですが、この国は非効率に対する意識が低いと思います。電車が来たら中から人が出てくるまで待てばいいのに、我先にと入るから結局ぶつかって時間を食う。朝のラッシュ時にエスカレーターが停止しているのに、昼になったら動いてたりする。事前に連絡すればいいのに当日で言いと思っているから、当日混乱が起きたり予定通りに物事が運ばない。ちょっとだけ工夫すればいいのに、連絡票とか、連絡帳とか作ればいいだけなのに。いっつもそう思います。でもあんまりその発想は無いみたい。
オフィスも、汚くても仕事できるっちゃあ出来ますが、綺麗で整頓されていた方が無駄なく働けるでしょう。形から入る人間というわけではないですが、この時訪れたオフィスのように、予定表があって、整頓されたファイルの棚があれば随分仕事が効率的になる。やっぱり職場環境を整えるというのは仕事の成功への一つのキーなんじゃないんでしょうか。このNGOが成功した理由の一つにもこれが挙げられるのではないかと思いました。

そして最後に訪れたのは、小さな商店街にある小さな小物屋さん。スモールビジネスを始める人のための小さなプラットフォームのようなものがあり、そこに会員費を少額納める代わりに、必要な道具や材料を借りて、小さなお店を開けるよう支援してくれる団体なのだそうです。訪れたのは、そこを通して小物屋を始めた一人のおばさんのお店。とってもかわいいアクセサリーが並んでいました^^しかし、商品がちょっと汚くなってたり古くなってたりしたかな…商品を買ううえで、それが綺麗であることは第一条件。そこが改善されたらもっと売れると思うのですが… 



そのプラットフォームではスモールビジネスをしている人たちの子どもが学校に通えるよう奨学金を出す活動もしているようで、それで大学に通っている子たちが小物屋の前を通り過ぎて行っているのを見ました。彼女たちの笑顔を見て、学校に行ける嬉しさが伝わってきました。

私たちが帰るときには土砂降りで、地面が水につかってしまいました。大通りまで出られるように、街の小さな子どもが道に大きな石を敷いてくれました。本当に心優しい少年。ありがとうの気持ちでいっぱい。



今回はいろいろな形のソーシャルエンタープライズに出会えて、そこのいる人々の生き方に触れられて、とても勉強になる1日でした。この日学んだことを忘れないように心に留めたいと思います。

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